あ行
- 赤玉土[あかだまつち]
関東地方のある火山灰からできた有機質を含まない粘土質の土です。弱酸性で保水性や通気性が良く、万能コンテナ用として古くから使われている用土です。大粒・中粒・小粒と分けられてますので鉢の大きさに応じて選んでください。また、硬質、上質があり一般的硬質は盆栽などに用います。
- あんどん仕立て[あんどんしたて]
鉢植えでつる性植物を育てる時に利用し、つるを支柱にして誘引し仕立てることを言います。例えば、大輪系の日本アサガオやブーゲンビレアの花などを、支柱はワンタッチで組み立てられる市販品などで格好良くあんどん仕立てにすると良いでしょう。
- 移植[いしょく]
植物を植え替えることですが、一般的には苗を育てる間(育苗期間)に行う植えかえを、このように呼ぶことが多く有ります。
- 一年生の苗[いちねんせいのなえ]
挿し木や接ぎ木、または種が発芽してから一年目の苗の事。生育の早い花木や果樹などでは、この状態から販売されるものもあります。
- 一年草[いちねんそう]
種をまいてから一年以内に花を咲かせ、種を実らせて枯れる植物の事を言います。園芸用の植物については暑さや寒さで枯れてしまう多年草の草の中で、種から簡単に増やせるものもこの仲間に入る事があります。
- 忌地現象[いやちげんしょう]
同じ科の植物を同じ花壇や畑などで、続けて栽培することにより起きる育成障害のことを言います。
- イングリッシュガーデン
本来はイギリスの庭全体の事を言いますが、日本においてはイギリスに多い、ナチュラルな雰囲気をもつ花を主体とした庭のことを言います。
- ウォータースペース
コンテナなどに水やりをする時、水が用土に十分にしみ込むように、鉢の上緑と用土表面との間につくる水を溜める為のスペースの事を言います。
- ウォールガーデン
建物の壁面を利用したガーデニングで、窓辺のウインドーボックスや壁に這わせたツル性植物などで壁面を飾ることを言います。
- 畝[うね]
畑や花壇などの中に植物を育てる為に、土をやや幅広の帯状に一段高く盛り上げた所を言います。土を盛り上げることによって水はけを良くする効果をもちます。
- 液肥[えきひ]
肥料分を水に溶け込ませて与える肥料のことで、「液体肥料」とも言います。水溶液タイプや粉末状タイプなどがあります。即効性で施すとすぐに植物に吸収されるので、追肥として使用されます。効果の持続性が数日間と短いので、定期的に与えましょう。
- 越年草[えつねんそう]
冬型の一年草で、秋から年を越して翌年夏頃まで育成を続ける冬緑性草花の事をいいます。
- 園芸品種[えんげいひんしゅ]
形態や特性を発現する遺伝子群が、ほぼ同じ構造、組成をもつ植物群で、人工的に交配して作り出された品種のことを言います。目的によって花を美しくしたり丈夫にしたります。言い換えると、人為的、または自然交雑によって作出された「園芸」の対象となる植物ともいえるでしょう。
- お礼肥[おれいごえ、おれいひ]
開花後や果実の収穫後に施す肥料です。消耗した植物に栄養分を補給して回復をはかり、株を充実させて次年度の成長に備えます。即効性の肥料を使います。ほうび肥。
か行
- 化学肥料[かがくひりょう]
窒素、リン酸、カリの肥料の三要素を科学的に合成して作り出された肥料の総称で、化成肥料、固形肥料、液体肥料などの様々なタイプがあります。
- 過湿[かしつ]
用土中の水分が過剰になっている状態で、多くの場合用土が乾く事なく、常に水分がある状態になっていることをいいます。たとえば、滞水・過湿条件におかれた樹木の葉では、光合成速度の低下や、寿命の変化、小型化がおきることがあります。
- 化成肥料[かせいひりょう]
自然界に存在する硫安や過石、塩カリなどの肥料の三要素のひとつひとつずつを含んだ化学肥料を混ぜ合せて作り出したものをいいます。粒状になっているものが多くあります。
- 活着[かっちゃく]
挿し木が根を出したり、花壇などに植えつけた苗が根を出したりして順調に生育を開始する状態になることをいいます。例えば、移植や定植をして、根を充実させたのちに、芽が伸び脇芽が増えるなどしていく様子。
- 活力剤[かつりょくざい]
窒素、リン酸、カリ、カルシウム、イオウの六つの要素を肥料成分と呼び、これらの肥料成分が一定量以上含まれるものを肥料といいます。そして、肥料分がそれ以下か、微量要素を含むだけのものを活力剤と呼んでいます。
- 鹿沼土[かぬまつち]
栃木県鹿沼市周辺で産出する軽石質の火山砂礫が風化したもので黄色の粒状土です。微塵をふるいわけて利用しますが、水はけ、水もち、通気性が良いですが、いささか酸性に傾いた園芸用土です。サツキ、シャクナゲ、ブルーベリーなどは酸性土を好むので鹿沼土が用いられます。その他、さし木用土にも適しています。
- 株分け[かぶわけ]
多年草の親株の脇から生えてきた「脇芽」を、根ごと切り離して別に植える繁殖法です。種をまくのに比べて繁殖の効率は良くありませんが、苗を枯らすことの少ない成功率の高い繁殖法です。また、古くなった親株を処分し、子供に代替わりさせるときにも使われます。茎や根を傷める作業なので成長期の始めの早春や、ダメージの少ない秋の初めに行うのが良いでしょう。植物によってコツが違うので、それぞれの植物に関する専門資料や、サイトなどを調べておくのが賢いやり方です。
- カリ
植物体内の生理作用を調整したり、暑さ寒さなどの環境の変化に対して、抵抗力を高めるために欠かせない肥料分です。カリが不足すると病害虫の被害を受けやすくなったり、茎が倒れやすくなったりするので充分に与えて下さい。加里。
- 緩行性肥料[かんこうせいひりょう]
肥料成分が徐々に溶け出すように工夫されたもので、肥料の効果が与えられた直後から少しづつ長期間に渡り持続する肥料のことを言います。速効性肥料と緩効性肥料を組みあせて与えると、より効果的です。
- 寒冷地[かんれいち]
冬に気温が低下し、年間を通して平均気温を下回る地方の事をいいます。日本では、東北~北海道。
- 基本種[きほんしゅ]
自然の中にもともと存在している植物のことで、原種とも呼ばれます。植物では属に下の種に当たります。交配・改良して作り出される「園芸品種」の元になります。
- 球根植物[きゅうこんしょくぶつ]
夏の高温で乾燥する時期や、冬の低温時など生育環境の悪い時期には、茎や葉などの地上部分を枯らし、地下に球根を作って休眠するタイプの植物です。球根となる部分は葉や茎や根など、植物の種類により異なり、それらの管理方法も異なります。
- 強光[きょうこう]
植物の生育を阻害するほどに強い日差しのことですが、一般的には夏至前後から立秋ころまでの強い直射日光だと捉えていれば良いです。
- 切り戻し[きりもどし]
株の形を整える為に、茎や枝を適当な長さで切り取る作業のことです。剪定の一つで、「ピンチ」とも言われます。枝を根元から切り取る「間引き(枝すかし)」と比べれば、剪定の程度は軽く木への負担も軽度です。「刈り込み」も、切り戻し剪定のひとつと言えます。
- 桐生砂[きりゅうすな]
用土の一種で、群馬県南部・桐生市付近で多く算出されることからこの名前が付きました。赤サビ色をした火山砂礫で鉄分が多く含まれています。硬くて崩れにくく多孔質なので通気性があり、比較的保水性もあるので東洋ランやオモト、山野草の栽培に用いられます。また、他の用土と混ぜて土質の改良にも使用されます。
- 苦土石灰[くどせっかい]
苦土石灰は、苦土(マグネシウム)を含む石灰岩から作られたもので、苦土炭カルとも呼ばれています。アルカリ性で肥料ではないが、酸性の土を改良し中和する時に利用されます。多くは小粒の粒剤になっています。
- 燻炭[くんたん]
お米の殻(もみ殻)を炭にしたものです。これを有機肥料や土に混ぜると、水はけや通気性の良い土が出来上がります。土の洗浄効果、保温、保湿、保水効果があるので、野菜の栽培用としてよく利用されます。アルカリ性で、土壌改良と酸度調整を合わせて行えます。
- 高温性植物[こうおんせいしょくぶつ]
ある程度以上高い温度でないと生育できない性質の植物の事。冬は加温するなどの保護が必要になります。
- 好光性種子[こうこうせいしゅし]
発芽時に、ある程度光が必要な種のことです。種まき後に、土を厚くかけ過ぎないようにする注意が必要です。「微細種子」と呼ばれる、粒の細かい種(1グラムあたり千粒以上あるような種類)のほとんどがこれに該当します。たとえば、野菜では、カブ、パセリ、ミツバ、レタス、シュンギク、ニンジンなどがあり、草花だと、プリムラ類、オダマキ、サルビア、ペチュニア、キンギョソウ、パンジー、ビオラなどがあります。
- 交雑種[こうざつしゅ]
遺伝的に異なる植物が交配して出来た品種を指して言います。自然の環境で交雑することもあります。
- 高性種[こうせいしゅ]
その品種の中で、背が高くなる性質をもつものを指していいます。低くなる品種、矮性に対比して使われます。
- 高木[こうぼく]
丈が高くなる木を指して言います。一般に5m以上を高木と呼び、さらに高い木は大高木と呼んでいます。
- こぼれダネ
花壇などで栽培していた植物に自然にタネができ、そのタネが落ちて花壇などに残る状態を言います。そして一般的には、そんなタネからでも簡単に発芽するほど、旺盛な繁殖力をもつ植物の説明をする時に使う言葉です。
- 固有種[こゆうしゅ]
一定の地域だけに生息している植物のことをいいます。日本にもいくつかの固有種があります。
- 混合土[こんごうど]
2種類以上の用土を混ぜ合わせた土のこと。鉢植えでは多く利用されます。
- 混植[こんしょく]
異なる種類の植物を花壇やコンテナへ、種類ごとに分けないで混ぜて一緒に植えつけることを言います。家庭菜園の場合、限られた面積でたくさん収穫する方法は、混植と密植です。
- コンテナ
プランターや植木鉢など植物を育てる為の容器の総称です。一般的には寄せ植えに利用する容器を、コンテナと呼ぶことも多くあります。
- コンテナガーデン
コンテナで育てられた植物を利用して、ディスプレイを楽しむガーデニングのことです。あらゆる花を混植したり、また移動も簡単なので場所を変えて雰囲気の変化を楽しみましょう。
- 原産地[げんさんち]
園芸植物などのうち、人間が利用する目的で品種改良などをする際に、作り出した植物の親、あるいは選抜した植物の親となった植物が、人にかかわる以前に自然状態で生息していた場所のことを言います。
さ行
- 細根性[さいこんせい]
根が細い性質のことです。細い根が多いと栄養や水分の吸収は良いですが、根づまりしやすいのが欠点です。
- 挿し木[さしき]
葉や茎、根などの植物体の一部を切り取って土に挿し、芽や根を出させて成長させ、新しい個体を作り出す繁殖方法のこと。「挿し芽」と言われることもあります。一般的に落葉樹は2~3月頃に行います。
- 砂質壌土[さしつじょうど]
壌土とは砂と粘土(微砂を含む)を等量混合した、水持ちや水はけの良い植物の栽培に適した用土のことで、砂質壌土は砂質分が多めで水はけ、通気性がより良いもののことを言います。
- 挿し床[さしどこ]
挿し木、挿し芽をする際、茎や葉、根などを挿す用土のこと。挿し床に使う土は「鹿沼土」など水はけのよい物が理想で、乾燥させないことが重要です。
- 挿し穂[さしほ]
挿し木をするために、親株から切り取られた茎や葉、根の一部のことです。
- 挿し芽[さしめ]
挿し木のうち、茎や枝などの芽のついている部分を利用して、新しい個体を作り出す繁殖方法です。
- 3号鉢[さんごうはち]
上部の直径が9cm、高さも9cmの鉢のことで、小鉢としてよく使用されます。3号ポットとも言います。鉢の大きさは号で表示されますが、基準は一号が直径3cmとなります。
- 酸性土壌[さんせいどじょう]
酸度(pH)が強めの土壌のこと。土壌の酸度が強すぎると、土壌中の有用な微生物の活動を阻害したり、根の活動を阻害して養分の吸収を妨げたりして、根の生育にも悪影響を与え生育を疎外してしまいます。
- 山野草[さんやそう]
野や山に自然に生育している植物の中で、観賞価値が高く鉢植にして楽しまれている草花のことを言います。一般的には原種類だけでなく選抜個体や交配によって作り出された園芸品種も含み、欧米から導入された種類も多くあります。
- シェートガーデン
日陰にある庭の事で、弱光線に強い植物を組み合わせて作ります。
- 自然樹形[しぜんじゅけい]
仕立て方の一種で、自然に樹形が違う樹木によく使われます。剪定は不要枝を切る程度です。
- 自然風花壇[しぜんふうかだん]
それぞれの植物のもつ草姿や花姿、花形、花色などを生かして自然な雰囲気をかもし出すように演出、植物を組み合わせた花壇のことを言います。
- 遮光[しゃこう]
日光が強すぎる時、光を遮ることを言います。その植物の好む光の強さにしてあげることです。
- 種[しゅ]
植物を分類する際の基本的な単位で、交配によって簡単に種ができ、さらにその種からできた個体が全部親と同じ形質を受け継ぐものを言います。
- 宿根草[しゅこんそう]
夏の高温で乾燥する時期や、冬の低温時など生育環境の悪い期間は茎や葉などの地上部分は枯らして、根だけになって休眠して過ごすタイプの植物のことです。
- 食虫植物[しょくちゅうしょくぶつ]
虫を捕らえて消化吸収する機能をもつ植物のことです。モウセンゴケ、タヌキモ、ネペンテスなどがあります。
- 水生植物[すいせいしょくぶつ]
水中で生活する植物のことです。水面に浮かぶものや根を水底に伸ばすものなど、いろいろあります。
- すき込む[すきこむ]
用土に堆肥や腐葉土、肥料など混ぜ込む作業を言います。植え付けなどに多用します。
- 生育期[せいいくき]
植物の一生のうち、あるいは一年の中で、葉や茎や根などが最も旺盛に生長する時期のことをいいます。
- 生育適温[せいいくてきおん]
生育に適した温度のことで、その温度の範囲内であれば旺盛に生育し、開花なども問題なく継続します。
- 整形花壇[せいけいかだん]
植物の集合美を楽しむ花壇で、正方形や長方形、円形など、幾何学的な模様を植物の花色や葉色などで描き正確で整然とした雰囲気をもつものを言います。
- 整枝[せいし]
草姿や樹形が乱れた植物の茎や枝を切り込んで、株全体の形を整えることを言います。
- 剪定[せんてい]
伸びすぎた枝を短くカットしたり、不要な枝を切り取って、株の形を維持したり整えたりすること。
- 速効性肥料[そっこうせいひりょう]
肥料成分が水に溶けやすく、与えるとすぐに肥料効果が出ますが、持続性のない肥料です。
- 雑種[ざっしゅ]
異なる品種間の交配によってできた子孫を指して言います。種間雑種や属間雑種があります。
- 地植え[じうえ]
花壇、庭、畑などに直接地面に植え付けることをいいます。対語は「鉢植え」などがあります。
- 直まき[じかまき]
苗床などを使用せず、育てる場所に直接種子をまくことです。移植を嫌う植物によく使われます。
- 自生地[じせいち]
人工的な手段を加えないで、自然な状態で特定の植物が生育している地域を指して言います。
- 弱光[じゃっこう]
植物の生育に影響を及ぼしてしまうほどの弱い光のことを言います。植物の種類によって必要な光の強さは違いますが、一般的には半日陰以下の光の強さと考えればいいでしょう。
- 常緑[じょうりょく]
夏や冬などの環境の悪い季節も関係なく、一年を通して常に葉をつけている草花や樹木のことです。たとえば、クレマチスの花などがあります。
- 属[ぞく]
植物分類で使われる単位の一つで、科と種の間に位置しています。単位は一般的に、科、属、種と分類されます。
た行
- 耐陰性[たいいんせい]
日陰でも育つ性質のことを言います。植物によって耐陰性はありますが、その強度はさまざまに異なります。
- 耐寒性[たいかんせい]
本来は0度以下の低温に耐えられる能力のことを言いますが、一般的には寒さに耐えられる能力を言われることが多くあります。
- 耐暑性[たいしょせい]
暑さに耐えられる能力のことを言います。30℃以上の高温になる日や、最低温度が25℃以上になる熱帯夜にどの程度耐えられるかにより、その強弱が決まります。
- 堆肥[たいひ]
落ち葉やワラやフンなどといった植物の体や、動物の排泄物を積み重ね腐敗させたものの事で、肥料としての効果と土壌改良剤としての効果との両方を兼ね備えています。
- 多花性[たかせい]
花を多くつける性質で、一般的には大花は少なく、小花は花が多くつく傾向があります。
- 多年草[たねんそう]
花を咲かせ種を実らせても枯れることなく、何年にもわたり生育を続けることができる植物のことです。一年中、葉を繁らせて常緑のものと、夏や冬など環境の悪い時期には休眠するものとがあります。
- 単植[たんしょく]
花壇やコンテナなどに、ひとつの種類だけ、あるいは一つの品種の植物だけを植えつけることをいいます。
- 短日植物[たんじつしょくぶつ]
花を咲かせるために、夜の長さがある一定以上より長くなる必要のある植物の事を言います。秋咲きの多くの植物がこの性質をもっています。
- 窒素[ちっそ]
茎や葉、根などを生長させるのに欠かせない肥料分で、養分の吸収や同化作用を促進します。不足すると葉が小さくなったり、葉色が悪くなるなど、生育不良の症状を起こします。
- 抽水植物[ちゅうすいしょくぶつ]
根は水底に下ろし、植物本体の下部は水中にあり、上部は空中に伸びている植物のことです。
- 中性用土[ちゅうせいようど]
酸性とアルカリ性の中間にある用土のことです。植物によって、酸性を嫌うものと好むものとがあります。
- 直根性[ちょくこんせい]
種が発芽する際に出す根(主根)が、大きく太くなり伸びていくタイプの植物のことを言います。
- 直立性[ちょくりつせい]
幹、茎などがまっすぐ立つ性質を言い、植物によっては横に広がるほふく性のものもあります。
- 追肥[ついひ]
栽培している途中で、肥料の不足を補うために与える肥料のことで、主に窒素分とカリ分不足を補う目的で与えます。
- 通気性[つうきせい]
空気のとおりが良い性質のことで、通気性が悪い用土だと根からの障害が発生しやすくなります。
- 接ぎ木[つぎき]
幹や枝などの一部を切り取って、台木と呼ばれる他の植物の幹や枝に密着させて、新しい個体を作り出す方法のことです。
- つる性植物[つるせいしょくぶつ]
つるを伸ばして生育する植物のことです。巻きつき形や寄りかかり形、巻きひげ形などがあります。
- 定植[ていしょく]
花壇やコンテナへ苗を植えつけることです。
- 低木[ていぼく]
直立する幹をもつ樹木の中で、株元から何本かの幹を出して、樹高が最高でも2m程度にしか生長できない木のことで、潅木とも呼ばれています。
- 摘果[てきか]
果実が付きすぎた時など、幼果のうちに余分なものを摘み取る作業のことです。摘果することによって良い果実の収穫が期待できます。
- 摘芯[てきしん]
腋芽の発生や分枝を促すため、芽先を摘み取ること。「ピンチ」とも言われ、摘芯をすることによって枝が分岐して、たくさん花をつけるなど良い効果が出ます。また、高さを低くする時にも使います。
- 点まき[てんまき]
種子を数粒づつ蒔きつけることで、大粒の種子の時などによく利用されます。
- 徒長枝[とちょうし]
長く伸びすぎた茎や枝のこと。窒素肥料や水を与えすぎたり、日照不足や高温なったりすると発生しやすくなります。
- 取り木[とりき]
親株から切り取ることなく、枝を土中に埋めたり、皮をはいでミズゴケなどで湿気を保つ工夫をして、根を出させ新しい個体を作り出す方法のことです。
- 取りまき[とりまき]
採取した種子をすぐに蒔くことです。時間が経つと発芽しにくくなる種子などは、この「採りまき」をします。
- トレリス
本来は格子で組んだあずまややアーチ、果樹を支える支柱や棚のことですが、一般的にはツル性植物を絡ませるための格子状などの平面的な構造物のことを、こういった呼び方をすることが多い。
- 属[ぞく]
植物分類で使われる単位の一つで、科と種の間に位置しています。単位は一般的に、科、属、種と分類されます。
な行
- ナチュラルガーデン
宿根草や樹木などを利用して、野山のような自然な雰囲気をかもし出し、演出している庭のこと。
- 夏越し[なつごし]
植物が30℃以上の高温の時期を過ごすことを言い、主に暑さが苦手な植物に対して重要な意味がある。
- 二年生の苗[にねんせいのなえ]
挿し木や接ぎ木などで増やしてから二年目の苗の事をいいます。根の生育の悪い植物や、生育の遅い植物などは、この状態で購入すると良いでしょう。
- 二年草[にねんそう]
種をまいてから一年以上二年以内に、花を咲かせ種を実らせて枯れる植物のことです。最近では品種改良によって、一年草扱いで栽培できるものも多くなっています。春まきの種のものが多くあります。
- 根腐れ[ねぐされ]
水のやりすぎや肥料の濃度障害などによって、根の吸収が阻害され根が壊死した状態のことです。
- 根詰まり[ねづまり]
鉢植えなど容器栽培された植物の根が、その容器いっぱいに生長して水分や養分が、吸収できなくなって生育が阻害されている状態のことです。
- 根鉢[ねばち]
根が張ることによって土がしっかり保持され、鉢や土中から根を抜き取っても、土が落ちない状態になってることを言います。
- 濃度障害[のうどしょうがい]
殺虫剤や化学肥料などの濃度が高すぎたために生ずる障害です。根を傷めたり、葉が黄変したりして、生育不良や枯れる原因になります。
は行
- 畑地性[はたちせい]
植物によって好む用土があり、一般の畑などで生育できる性質のことで、湿地性や水性があります。
- 鉢底土(石)[はちぞこつち(いし)]
ゴロ土と同じ意味です。水はけを良くする為に鉢の底に入れる軽石や、大粒の赤玉土の総称です。最近では発砲スチロールを小さく切り分けたものなどを利用することもあります。
- 発根促進剤[はっこんそくしんざい]
挿し木をする時、発根を促す目的で使用する薬剤のことです。移植する苗の活着を良くする効果も、合わせ持っています。重荷黄の切口につけて使用します。
- 発芽適温[はつがてきおん]
休眠していた種子が生長を開始するのが発芽で、その植物により適している温度があり、それを発芽温度と言います。
- 花がら[はながら]
花が咲き終わった花弁や、ガクなどの残物のことで、病気の発生源になったり、種ができると株が弱る元になったりするので、摘み取ることが多くあります。
- 葉水[はみず]
主に高温乾燥時や冬期の暖房した室内などで、葉の表面からの水分蒸散や葉面温度の上昇を抑えるために、葉や植物全体に水をかけることを言います。 乾燥が苦手な植物の場合は、季節に関係無く湿度を保つために行われます。
- 葉やけ[はやけ]
高温や強い日差しにより、葉の緑が焼けたように褐変する症状のことです。体温を維持するために葉からの水分蒸散が過剰に行われ、葉の細胞が壊死するために起こります。
- ハンキングバスケット
壁に掛けたり吊り下げたりして楽しむタイプの栽培容器で、ワイヤーやプラスチックなどで作られる事が多くあります。通気性や水はけが良いのが長所です。
- 半耐寒性[はんたいかんせい]
水が凍る0℃以下の低温には耐えられないが、3~5℃前後の低温には耐えられる能力のこと。
- 半鉢[はんはち]
栽培用に使用される植木鉢は通常、上部の直径と同じ高さがおなじものが基本ですが、上部の直径の半分の高さのものを半鉢、または平鉢と呼んでいます。主に用土の過湿を嫌う植物の栽培に使用します。
- 半日陰[はんひかげ]
直接日が当たらず、ものの影がはっきりと形をとる程度以上に明るさがある場所のことです。
- 非耐寒性[ひたいかんせい]
寒さに弱い性質のことで、自生地が暖地であることが多くあります。寒い冬を体験する必要のない場所に育つ植物です。
- 肥培管理[ひばいかんり]
生育に合わせて適量の肥料を与えながら、生長をコントロールする栽培管理方法です。
- 肥沃地[ひよくち]
有機質など、植物の生育に必要な栄養分が多く含まれている土地のこと。反語はやせ地です。
- 肥料やけ[ひりょうやけ]
肥料あたりと同じ意味ですが、肥料の濃度障害によって葉の先端部が枯れたり、部分的にしおれたりする症状だけを言ったりする場合もあります。
- 品種[ひんしゅ]
植物分類に使用される単位の名称のひとつで、種をさらに細分化したものです。
- 覆土[ふくど]
種まきを行う時、種の上に土をかけて種を直接日光に当てないようにする処置のことです。日光により発芽が阻害されやすい植物の種をまく際に行われます。
- 腐植質[ふしょくしつ]
枯れ葉などの土中の細菌によって分解される養分で、用土に混ぜて使用します。
- 付着根[ふちゃくこん]
つる性植物で茎から出ている根のことで、他のものに張り付いてよじ登ったりします。
- 冬越し[ふゆごし]
植物が冬期の低温状態(3℃前後以下)の時期を過ごすことで、主に寒さが苦手な植物にとって重要になってきます。
- 腐葉土[ふようど]
広葉樹の落ち葉が堆積して半ば腐ったようなもので、通気性が良いので土壌の改良に使われます。
- ほふく性[ほふくせい]
茎や幹、枝などが地表を這うようにして生育していく状態のこと。または、そうした草姿を言います。
- 本葉[ほんよう]
種から出た芽から最初に出る葉が子葉で、その子葉の次に出てくるのが本葉です。本葉はその植物の本来の葉の形をもっています。
- 培養土[ばいようど]
植物の栽培用として、さまざまな種類の用土を混ぜ合せて作り出された土のことで、水はけや水もち通気性などが良く、植物の生育に適した用土です。
- バーミキュライト
蛭石を高温処理して作り出された用土で、非常に軽く薄板が層状に重なった形状をしていることから、水もちや保肥性がとても良いと言われています。
- 尾状[びじょう]
葉の一部の形を言います。茎先が尾のように長く伸びている状態のことです。
- ピートモス
寒冷地の湿地で生育する水コケが堆積し、変質したもので水もちや通気性が良いという利点がありますが、酸性なので、酸度調整してから使用する必要があります。腐葉土の代わりとして使われ始めましたが、腐敗しないなど腐葉土との性質は大きく異なります。日本産のものはほとんどありません。
- ベースカラー
布の地色にあたるもので、花壇やコンテナガーデンの、全体の配色の背景色になるものを言います。
- ボーダー花壇[ぼーだーかだん]
建物やフェンスと庭との間や、通路と庭との間などの境界部分に作られる花壇のことで、イングリッシュガーデンによく見かけられます。
ま行
- 真砂土[まさつち、まさど]
関西以西の低山や、丘陵地に広く分布している花崗岩が風化した土のことです。水はけ、水もち、保肥力が良いという特徴がありますが、年度分が多いものは通気性や水はけが悪いので、腐葉土やピートモスなどを加えて改良する必要があります。弱酸性の山砂の一種です。
- マルチング
用土の乾燥や低温を防ぐために、用土の表面にピートモスや腐葉土、バーク堆肥などを敷く作業のことを言います。
- 実生[みしょう]
植物を種から育てることです。多数の苗を一度に作ることができるという利点があります。
- 水切れ[みずぎれ]
用土中の水分が不足して葉や茎がしおれ始めている状態のこと。冬季は空気も乾き水ぎれになりやすいので気をつけましょう。水仙やチューリップなどの秋植え球根は水が切れないように、晴れた日の午前中に十分潅水しましょう。特に百合類は敏感です。
- 水草[みずくさ]
水中や水面で生息する植物のことです。根が水底に沈むものや水中にあるものなど、さまざまあります。
- 水はけ[みずはけ]
用土に与えられた水が、上から下に向かって流れ落ちる能力のことを言います。鉢植などでは、上部に与えられた水が鉢底から流れ出るまでの時間の長さにより、水はけの良し悪しを判断します。
- 水もち[みずもち]
用土中に含まれる水分を保持する能力で、水を与えてから用土が乾燥するまでの時間が、長いほど水もちが良いと言われています。
- 無機質肥料[むきしつひりょう]
肥料成分を科学的に合成して作り出された肥料のこと。無機質の成分から出来ている肥料で、硫酸アンモニウム、過リン酸、石灰、塩化カリウムなどの化学肥料と草木灰などがあります。
- 木質化[もくしつか]
茎が木のようになることです。一部の草花は年数が経つと、茎が基部から木質化していきます。
- 元肥[もとひ、もとごえ]
植えつける以前に、あらかじめ用土の中に施しておく肥料のことです。「もとひ」「げんぴ」とも呼びます。粉末や小さな粒状で、緩効性や遅効性の肥料を土に混ぜ込むのが一般的なやり方です。植え付け時に肥料の養分がすぐに吸収されるよう、植え付けの1週間ほど前に肥料を施しておきましょう。
や行
- 山砂[やますな]
火山性の天然の砂のこと。「富士砂」「桐生砂」「浅間砂」などの名称で市販されています。通気性を良くするために用土に混ぜて使用しますが、川砂に比べると水分や肥料分を保つ性質が高いので、単独でも、東洋ラン・万年青(オモト)や山野草の栽培に使用されます。
- 有機質肥料[ゆうきしつひりょう]
油かす、魚かす、骨粉、鶏ふん、堆肥など、一般に動物や植物の有機質(体や排泄物など)を原料として作られた肥料のことです。土質の改良などにも効果があります。
ら行
- 落葉低木[らくようていぼく]
冬になると葉を落とす低木の総称です。広葉樹に多く見られます。たとえば、トサノミツバツツジ(ツツジ科)やエゾアジサイ(ユキノシタ科)や、秋の紅葉が「錦」のように見えるニシキギ(ニシキギ科)などがあります。
- ランナー
株きわから出て地上を長く走る枝や茎のことです。地中から根を出すものと出さないものとがあります。
- リン酸[りんさん]
茎や葉、根などの植物の体を作る手助けをして花を咲かせ、実をならせるのに欠かせない肥料分です。不足すると生育が悪くなり花が咲きにくくなります。
- 連作[れんさく]
毎年、同じ花壇や畑などで同じ種類の植物を、連続して栽培すること。連作をすると育ち方が悪くなったり、病気や害虫にひどくやられたりするといった、連作障害を引き起こすことがあります。連作の害を防ぐには、伝染する病気や害虫を完全に消毒することも重要ですが、野菜の種類によって、連作の害が出にくいもの、出やすいものがあるので同じ畑に同じ種類の野菜を続けて作らないこと、または、連作の害の出やすいものは数年おきに作ることが必要になるでしょう。
- ロックガーデン
高温を嫌う、高山植物や山野草を安全に育てるために、イギリスで考えだされたガーデンスタイルのことです。岩や砂礫(されき)を組み合わせて、水はけの良い状態にして地温を下げ、根の張りをよくしています。
わ行
- 矮化剤[わいかざい]
主に、茎の伸長を抑制する薬剤で、植物をコンパクトに仕立て花を楽しむために使われます。矮化剤は植物ホルモンのようなもので、矮化剤を使うときは、植物によって使う種類や時期、回数が異なるので充分注意が必要です。また、濃度によって効果が違うので、専門家や熟知している方に聞いたりするなど、よく調べてから使用することをおすすめします。
- 矮性[わいせい]
草丈や樹高が高い本来のものの2分の1以下で熟成する性質の植物のことです。人工的に交配して作られたり、矮化剤で伸びを抑えたりすることもあります。
- わき芽[わきめ]
茎の側部から出る芽のことで、多くの場合、葉の付け根から出ます。「側芽」とも言います。例えばトマトなどは、各葉のつけ根の部分から次々にわき芽が伸び出してきます。主枝を伸ばし太らせたいときは、わき芽を早期に摘んで養分の分散を防ぎ、株数を増やしたいときは、主枝を切り詰めて、わき芽の成長を促します。